健康寿命延ばし隊

高齢者に元気で長生きしてもらうために大切なこととは

健康寿命とロコモとの間にはどんな関係がある?

高齢化の影響で長く生きるだけでなくいかに「健康で自立した環境で長生きできるか」が重視されるようになっています。そんな、健康寿命を維持するうえでも、ロコモ対策は非常に大きな意味を盛っています。厚生労働省による平成28年のデータによると、要支援・要介護になった要因としてトップになったのが、運動器の障害でした。全体の実に24.6パーセント、4人に1人は運動機能の低下・障害、つまりロコモが原因で要支援・要介護になってしまったわけです。2位の認知症が18.0パーセントとなっていることからも、いかにロコモが健康寿命に悪影響を及ぼすかがうかがえます。

健康寿命との関係では、充実した日常生活や健康面の健康との関わりも無視できません。運動機能が低下すれば、どうしても外出する機会やレジャーを楽しむ機会、さらには友人・知人と会う機会が減少してしまいます。親しい人と外で集まって楽しい時間を楽しむといった、以前は当たり前だったことができなくなることで、精神面の落ち込みや生きがいの喪失といった問題を起こすリスクが生じます。「病は気から」の言葉通り、動けない環境が塞ぎ込んだ精神状態をもたらし、心身両面の健康寿命に悪影響を及ぼしかねないのです。しかも厄介なのは、ロコモになって動く機会が減ると筋力の低下や筋肉と関節、骨とのバランスの乱れなどが原因で、ますます運動機能が低下してしまうことです。ロコモが健康寿命を損ねる原因となるだけでなく、進行させる原因にもなるわけで、その対策がいかに健康で長生きする上で重要な意味を持ってくるかがうかがえるでしょう。

ロコモを予防して快適な日常生活を送るために

ロコモとは「ロコモティブシンドローム」の略で、身体を動かすために必要となる器官に障害が起こって、立ったり歩いたりといった基本的な動作が困難となり寝たきりのリスクが高まる症状を指します。骨や筋肉、身体中の関節から成り立つ運動器に影響が出ていることから運動器症候群とも呼ばれ、主に身体機能が衰えてくる高齢者に多くなる症状です。具体的には筋力の衰えによって足や腕の関節が痛んだり、バランス感覚が取れなくなってよろけてしまうといった症状が発生します。ロコモが進行してしまうと、最終的には身体を動かすことも困難となり、介護が必要となる可能性も出てきます。介護の要因の大半は、このロコモをはじめとする運動器の障害から起こるとされています。ただ、ロコモは高齢者だけではなく高血圧や生活習慣病を持っている方であれば、若いうちから発症するリスクも高いとされています。日常生活に支障がない状態でも、既に運動器が衰えている場合はあるので注意が必要です。

ロコモの原因となる運動器の衰えは、日頃の習慣的な運動で予防できます。ハードなスポーツでなくとも、ウォーキングやランニング、屋内でできるスクワット、腕立て伏せなどで筋肉に負荷をかけてあげることで、運動器の機能を維持できます。軽度のロコモであれば回復が可能であるため、日々の運動をはじめ栄養バランスのとれた食事、痺れや痛みなどの違和感がある部位は早急に通院して治療してもらうといった対策をとりましょう。また、こちらのサイトには、予防法をはじめとするロコモ予防に取り組みたい方向けの記事が掲載されているので、併せて読むと参考になるかもしれません。